簡単に出来てしまうものは、やはし深みが無いような気がします。
時間やキモチ 目には見えないけれど、
確かにそれは存在していて重ねた時や想いが
そこに含まれているからこそ、しみじみ心に響くのだと感じています。
こぎん刺し・・・寒い寒い東北の野良着を少しでも暖かく
丈夫なものにするために生まれた針仕事。
資料館などで見かけても、そっかっぁと軽く
通り過ぎてしまうものだと思うんだけど。
でも それを現代の暮らしにオシャレに復活させようと
奮闘した二人がここにいる。
福田里香ちゃんと束松陽子さん。
こぎん刺し協会の方たちにけげんな顔をされながらも、
時間をかけて手間を惜しまずいろんな事を形にしてきました。
そして今回見事な一冊の本になりました。
この真似の出来ない発想とアイデア、はんぱな情熱では出来ません。
何でもお金に換算して考えるという経済至上の変な世の中で、
ギャラリーという場でこうした本物の人たちと時を過ごせることが
本当に貴重でかけがえのないことだと感じているターセンであります。